この記事で伝えたいこと

・ 旗竿地のリアル資産価値

・ 売却査定のチェックポイント

・ 旗竿地でも資産価値が高い立地条件

知りたい
ゾウさん

旗竿地の購入を検討しているが資産価値が低いと聞いている。実際はどうなのか知りたい。

気になる
クマさん

現在、旗竿地に住んでおり売却を検討している。売却査定を行ったことがないためイメージを掴みたい。

筆者
夢遊ペンギン

私は、3年前から旗竿地に居住しております。

入居直後に、資産価値の把握を目的として『売却査定』を行いましたので概要をお伝えいたします。

これから旗竿地の購入を検討されている方、所有の旗竿地の売却を検討されている方の参考になりますと幸いです。

1.私が購入した旗竿地

項目数値など
購入時期2021年末
入居時期2022年末(注文住宅)
査定実施時期2023年初め
敷地面積約26坪(竿:約10坪、旗:約16坪)
延床面積約30坪
間取り1F:風呂、ゲスト部屋、2F:LDK、3F:仕事部屋、寝室
方角南西
土地購入先オープンハウス
ハウスメーカー大手先

・私は、2021年に旗竿地を購入。そこから建屋を建築し、2022年より居住開始。

・敷地面積は、約26坪で、内訳として竿部分が約10坪、旗部分が約16坪となっております。

2.売却査定を行った経緯

住宅ローン返済の重圧

・2022年より入居したことで、住宅ローンの返済が開始。

・私は、35年ローンで借入を行いましたが、今後の返済を考えると重圧で押し潰されそうでした。

資産価値の適性な把握

・旗竿地購入前のリサーチで、購入エリアでは、旗竿地でも資産価値の低減は限定的と整理していました。

・然し、いざ、住宅ローンの返済が開始すると想像以上の重圧でしたので、実際の資産価値を適正に把握することで、重圧を軽減させたいと思いました。

・そのため、2023年初めに売却査定を実施。

純粋な興味

・加えて、旗竿地は売却に不利と言われている中、不動産マーケットにおける、実態評価を知りたかったという側面もありました。

査定依頼先

・査定は、大成有楽不動産 | 大成建設グループへ依頼しました。

3.売却査定結果~結論~

旗竿地の形状のみでは▲30%とマイナス

・坪単価の対象エリアでの標準価格は、画地格差率(土地形状に対する評価)では73.5%と約▲30%のマイナス。

但し、他補正を加味すれば14%のプラス

・但し、他補正を加味すれば114%と14%のプラス。

補正項目は査定フロー①~④で解説いたします。

査定額 > 購入価格

・土地の購入時期は2021年末。一方、売却査定時期は2023年初め。

・不動産価格が右肩上がりで伸びていたことに加え、格差率も標準価格比で114%だったことも相まって、売却価格は購入時の価格を約10上回る結果となっていました。

4.売却査定結果~査定フロ~

査定フロー①:画地条件

旗竿地の形状のみはマイナス

・先ずは、画地条件の査定。

・L字不整形(旗竿地)として、格差率は▲30%の70%となっています。

・然し、規模の観点で5%の加点となっています。

査定フロー②:環境補正

立地条件や希少性で加点

・続いては環境条件の査定です。

・比較的、静かな住宅エリアのため『環境条件』で2%の加点となっています。

・主要駅15分以内の立地のため『交通条件』で10%の加点となっています。

・商業地域に位置するため『行政条件』で10%の加点となっています。

・人気エリアのため『希少性』で10%の加点となっています。

査定フロー③:1次結果

対象エリアの標準価格比95%

・続いて、対象エリアの標準価格と、これまでの格差率を掛けます。

・格差率は95%のため、査定額は標準価格の95%となっています。

査定フロー④:最終結果

流通性の補正により標準価格を上回る結果

・最後に、1次結果の査定額に流通性比率を掛けます。

『流通性』とは、その不動産が市場でどれだけ売れやすいかということで、数値が高い程、買い手が付きやすい、つまり、金額を上げやすいということになります。

・今回の場合、流通性は120%。1次結果までの格差率95%×流通性比率120%=約114%で、対象エリアの標準価格を上回る結果となりました。

5.考察_旗竿地でも資産価値が高い立地条件

旗竿地の形状のみではマイナス補正となるので・・・

・査定結果の通り、『旗竿地の形状』はただそれだけだとマイナス補正になるとわかりました。

他立地条件でカバー

・査定結果を踏まえれば、以下で加点を狙っていく戦略になると思います。

・これは、旗竿地に関わらず、戸建て住宅全般に言えることですが。

閑静な住宅エリア
駅近物件(徒歩15分以内)
人気エリア内の物件(希少性)
規模、土地の大きさ

6.まとめ

土地を”資産”と捉えるか、消耗品と捉えるか

・立地条件や、環境条件で加点が無い旗竿地は、購入価格は安いが、売却額は安い。

・立地条件や、環境条件で加点が有る旗竿地は、購入価格は高いが、売却額も高い。

・「土地を資産」として捉え、リセールバリューを高めるなら、多少高くても立地条件や環境条件が良い旗竿地の選択が最適ということになると思います。

・一方、土地は「住むための道具」として捉え、購入価格を抑えるという選択も有りだと思います。

捉え方は千差万別

・ここの考え方は、人其々異なると思います。

・「資産」として捉えれば都心寄りになる一方で家は狭くなりがち。「住むための道具」として捉えれば選択肢が広がる一方で、将来的なリセールバリューは見込めない。

・個人のポリシーや、これまでの人生観、ご家族の意見など、様々な要素があると思いますので、総合的に判断を行い、後悔のない選択を行うことが最適解だと思います。