この記事で伝えたいこと

・ 旗竿地の概要

・ 旗竿地のメリットデメリット

・ 旗竿地を選ぶ前の注意点

・ 購入前にやっておくべきこと

知りたい
ゾウさん

戸建て住宅を検討しており、旗竿地も選択肢としている。メリットやデメリットを知りたい。

気になる
クマさん

旗竿地を選ぶ前の注意点などが知りたい

筆者
夢遊ペンギン

私は、3年前に戸建て住宅を新築購入し『旗竿地』に住んでおります。

現在、旗竿地を検討されている方もいらっしゃると思いますので、そのメリットやデメリットなどをお伝えします。

※私は不動産会社の人間でも何でもありません。シンプルな個人の感想として捉えてください。

1.旗竿地とは

敷地(旗)と通路(竿)がセットになった土地形状

・旗竿地とは、土地の形状が「旗」と「竿」に似ていることから名付けられた敷地形状のことです。

・具体的には、道路に面した細長い通路部分(竿)の奥に、建物を建てる敷地(旗)が広がっている土地を指します。

・また、旗竿地の他に、旗竿敷地や敷地延長、路地状敷地などと呼ばれることもあります

2.旗竿地のメリット

相場よりも低価格

・一般的には、同じエリア・面積でも整形地より価格が安めに設定されています。

・場所にもよりますが、整形地に比べ、10%~30%のディスカウントとなっているケースがあります。

落ち着いた環境・プライバシー確保

・建物が道路から奥まった場所にあるため、車の騒音や通行人の視線が届きにくく、静かな住環境が得られます。

・また、通りから建物が見えにくいため、プライバシー確保にも繋がります。

敷地延長分の有効活用

・旗竿地は、敷地延長の道が長いため、車の駐車として利用可能です。

・また、旗竿地は設計の自由度が高く、個性的なデザインを楽しめます。

都市部では貴重な土地

・都市部では、限られた土地に不動産開発を行うこと、また、価格高騰から1つの土地を分譲して販売する傾向にあり、その中で旗竿地が生まれています。

・そのため、『旗竿地』は限りある土地から開発された貴重な土地であると言えます。

・また、限られた土地に開発されるため、駅近など、立地条件自体は良いケースが多いです。

穴場(競合が少ない)

・『旗竿地』というだけで、忌み嫌う方も大勢いますので、整形地に比べると競合は少ないと思います。

・個人的に、整形地に拘りがなければ、『旗竿地』は比較的穴場だと思っています。

3.旗竿地のデメリット

売却時の資産価値低減リスク

・旗竿地は不整形地であり、利用効率の低さや使い勝手の悪さから、同エリアにある同面積の整形地よりも評価額が低くなる傾向があります。

・そのため、売却時に希望額で売れなかったり、販売期間が長引いたりするリスクがあります。

・但し、ここは、購入時に安く買っているので、その分の痛し返し、でもあると思います。

工費・外構費が割高となるリスク

・狭い路地を通る資材搬入や重機使用が困難になる可能性があるため、手作業が増え人件費が高騰すること、ライフライン(水道・ガス・電気)の引き込み工事費用が割高になるリスクがあります。

・また、竿部分の面積が広いため、外構工事費用が高く付く可能性があります。

近隣とのトラブルリスク

・竿部分の通路が隣家と近いことや、住宅が密集していることが多いため、プライバシー侵害、騒音トラブル、敷地の境界を巡る問題など、近隣トラブルの発生リスクがあります。

・隣家や、近隣住民の人柄や、家族構成などは事前に見極める必要があると思います。

風通し・日当たりが悪くなるリスク

・広い敷地を分割して作られる旗竿地は、周囲を建物で囲まれているケースが多く見られるため、方位によっては日当たりや風通しが得られにくい可能性があります。

防犯面のリスク

・建物が路地の奥にあるため、人目に触れにくく死角が多いため、不審者が侵入しても気付かれにくいなど、防犯面のリスクを内包します。

4.旗竿地を選ぶ際の注意点

接道義務

・旗竿地に限らずですが、建築基準法第43条にて、建物の敷地は幅員(道路の幅)が4m以上の道路に2m以上接していなければならない(=接道義務)と定められています。

・旗竿地の場合は、道路と繋がる竿部分が、この要件を満たしているのか要チェックです。

・これを知らずに、悪徳業者に騙されて、『格安物件だから・・・』と飛びつけば、再建築不可などとなり、資産価値が限りなく低減しますのでご注意ください。

近隣住民の生活状況・民度・属性

・旗竿地は、整形地の戸建てに比べ、近隣住民との物理的距離が近いことが多いです。

・近隣住民の方々が、「自分達の雰囲気に合わない」「騒音がよく聞こえている」「何か違和感がある」など、気になることがあれば、そこをクリアにした方が良いと思います。

・折角、手に入れたマイホームも、近隣住民など他人に脅かされれば台無しになります。「まぁ大丈夫」だろうが、後々、尾を引くことになりかねません。ここは個人的な見解として、慎重にご検討いただいた方がよい点だと思っています。

資産価値

・ここはデメリットでも記載の通り、評価額が低くなる傾向であることへの認識が必要です。

・但し、『永住する』『売る気は全くない』ということでしたら、あまり、気にしなくていいかもしれません。

5.購入前にやっておくべきこと

資産価値の確認

・購入検討中の資産価値について、「将来に亘ってどうなるか」「旗竿地のディスカウントの影響はどうか」「そもそも購入検討エリアの人気度合い」「希少性はどうか」など、調査することをおススメします。

・調査方法として、「不動産会社に聞く」「路線価を見る」「実際に売りに出ている不動産情報をチェックする」など、やり方は多々あると思います。

・これにより、『不動産価値の低減は限定的』との判断となれば、旗竿地の購入にかなり弾みが付くと思います。

近隣住民のチェック

・私の場合、購入検討時は、時間帯や曜日を変えて、頻繁に該当エリアへ散歩に行きました。

・そこで、「住民の方の雰囲気」「ゴミは落ちてないか」「不審者はいないか」「騒音はないか」などをチェックしました。

・または、実際に住民の方に声を掛けて、街の雰囲気や、問題点などを聞いてみました。

建築基準法への抵触を確認

・これは不動産会社に聞けば、当然に教えてくれると思います。

6.まとめ

メリットとデメリットの天秤

・正直、予算内の整形地があれば、そこがベストだと思います。

・但し、なかなかそんな場所がないのが現実です。予算を上げるか、予算内で旗竿地にするか・・・。

・旗竿地も様々なメリットがありますので、結局はデメリットと天秤に掛けて納得できるかだと思います。

資産価値、近隣住民、接道義務は要チェック

・本ブログ内でも記載しましたが、個人的には、ここが検討時の主要点と感じています。

・この辺りの整理が付けば、「日当たり」「防犯面」「建築費用」などのデメリットは、設計やデザインの工夫でどうにかなると思います。

整形地探しで煮詰まっている方々、旗竿地ですと、案外掘り出し物が転がっているかもしれませんよ・・・!!